原料栽培から始める工程


1. 原料栽培〜加工

冬の間に刈り取った原料を蒸し、一本一本丁寧に皮を剥きます。黒皮の表皮をきれいに取り除けば、次の工程へと進むための白皮の完成です。


2. 煮熟

白皮を釜に入れ、苛性ソーダ、ソーダ灰を加えて、白皮が手でちぎれるほどの柔さになるまで、約2時間しっかりと煮ます。


3. あく抜き

煮熟した白皮を釜から上げ、徳地の冷たく、清らかな流水に二日間さらして、あくを抜きます。


4. 晒し(白い和紙のみ)

白い和紙を生産する場合は、ここでさらに漂泊し、白皮の白さを磨きます。


5. 塵より

あくを抜いた白皮から、まだ残っている外皮や傷、汚れなどを手作業で取り除きます。質の高い和紙を生産するために、最も時間を要する作業です。


6. 叩解

きれいになった原料を木棒や専用機器で叩き、繊維がバラバラになるまで叩解します。この叩解加減は品質を大きく左右します。


7. 紙すき

「すき槽」に原料を入れてよくかき混ぜまず。そこに、とろろあおいの根から抽出した粘液を加え、原料繊維を均一に分散させ、簀桁で一枚一枚紙を漉きます。


8. 圧搾・乾燥〜完成

漉いた和紙を重ね、重石やジャッキで徐々に水を絞ります。圧搾後、湿紙を丁寧に剥がし、シワが寄らないよう刷毛で貼り付け、天日や機械で乾燥します。

こうして、ようやく手すき和紙の完成です。